解せぬ果実の怒り

いつも通る通勤路。


住宅地の間を通る割と細い道を通勤に使っている。


近くに小中学校があることもあり、朝はとても賑やかな道である。しかし、大通りに面しておらず、街灯も少ないため、夜になると人通りの少ない真っ暗な道に変わる。

たまに人とすれ違うと、相手を不審者と思ってしまうくらい不気味な道である。


その日は19:00に帰宅した。12月であることもあり、あたりは真っ暗。


その道には誰もいなかった。誰かいても困るが...。


今日の晩飯はおでんにしようか豚汁にしようか。帰ったら何をしようか。運動しようかな。等と、いろいろ呑気なことを考えながら歩いていた。


と、


マンションのごみ捨てを通った時であった、


そのゴミ捨て場は、スポットライトのように街灯の光で照らされている。


いつもは気にせず通り過ぎていくだけだが、その日は見慣れないものがそこにいた。


微動だにしないが、それはゴミ捨て場の中で特に存在感を示した。



周囲の暗さをも明るくするような橙色のそれは




柿であった。



それも甘柿!



艶のあるとても大きい食べ応えのありそうな甘柿であった。

甘柿は寄り添うように2つ捨てられていた。


誰が柿を捨てたのか。

カラスが持ってきたのか。こんなきれいな状態で2つ寄り添うようにカラスが置けるとは到底信じがたい。

これは人間の仕業だ。子供か、大人か。

おそらく、親戚やら近所から好意として受け取った立派な柿を、苦手なのか知らんが何等かの理由で捨てたのであろう。


甘いもの好きとしてこの行為を到底許しがたい!

食べ物は粗末にしてはならない!ダメ絶対!



ビック製作所で打診。

現代ストレスに疲れたあなたを右から左へ受け流す。

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